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新機器導入!「オルコア」とは?
こんにちは。
北24条かやの歯科クリニックのどいです。
暑い日が続いたと思えば、冬に逆戻りしたかのような寒さになったりと、寒暖差激しく体調を崩しやすい気候ですね!
本州では台風並みの天気になったりと、今年も異常気象で暑くなるかなと思うとうんざりしますね😓
さて今回は最近当院に導入された「オルコア(orcoa)」という機器についてご紹介致します。
名前からは何ができる機械かどうかさっぱり分かりませんよね💦
【オルコア(orcoa)とは?】
ざっくり言いますと、チェアサイド(院内)で歯周病の原因菌のひとつであるP.g菌(Porphyromonas gingivalis)🦠のDNA検査を、たった45分😲で検出できる装置のことです。
これの何が凄いのかと言うと、今まで専門機関や大学などでしかできなかった菌の同定*を院内でできてしまうことです。
*同定:患者さんの検体から検出された感染症の原因となる細菌の名前を決定する検査です。 まず、グラム染色による菌の色・形態の観察、培地上のコロニーを観察した後、 生化学的性状や血清学的性状を詳しく調べて最終的にこの菌は何菌であるのかを決定します。
【オルコアの仕組み】
オルコアの菌の同定方法は「PCR法」です。
そう、COVID-19👾が流行るようになって、毎日耳にタコができるほどよく聞くことになった言葉ですね。
しかしながらPCR法の実際について具体的に分かる方は少ないと思いますので、ここで説明させて頂きます。
《DNAポリメラーゼとそのアプリケーション》
ポリメラーゼ連鎖反応( polymerase chain reaction)とは、DNAサンプルの特定領域を増幅させる反応のことです。
DNAポリメラーゼを用いて、わずか数分子のターゲット核酸から数ミリグラムのDNAを増幅するアプリケーションです。応用範囲が広く、分子生物学の研究以外にも様々な領域で利用されています。
DNA🧬を生命の主な設計図とすると、DNAポリメラーゼはその設計図の複製や伝達をつかさどる分子と言えます。ほとんどの生命体は、DNAポリメラーゼなくして子孫を残したり進化したりすることはできません。
DNAポリメラーゼの基本的な機能は、1本鎖DNAテンプレートをもとに5′-3’方向に新しいDNA鎖を合成することです。ネイティブなDNAポリメラーゼのほとんどは、この他に複数の機能を持っています。また、DNAポリメラーゼの多くはDNA鎖の合成活性以外に、DNA鎖の末端から次々とヌクレオチドを取り除く活性も備えています(5’エキソヌクレアーゼ活性や3’エキソヌクレアーゼ活性)。
《PCR法の原理》
PCRにより、わずか数分子(生化学反応では解析することのできない低濃度)のターゲット核酸から数ミリグラムのDNAを増幅することが可能です😲
PCRは本来のDNA増幅過程を真似た反応(Saiki et al., 1985)。増幅するターゲット配列の両端に位置する2つのオリゴヌクレオチドプライマーにより、増幅するターゲット配列が決定されます。これらのプライマーはそれぞれ相対するDNA鎖にハイブリダイズし、新たなDNA鎖の合成開始点となります。Taq DNAポリメラーゼなどの耐熱性DNAポリメラーゼが、このDNA合成を触媒します。
PCRによるDNA合成の各サイクルは、熱変性(denaturation)、アニーリング(annealing)、伸長(extention)の3ステップで構成されます。この3ステップによる「PCRサイクル」を何度か繰り返すことにより、ターゲットDNA配列が高濃度で合成されます(Mullis and Faloona.,1987)。
各サイクルが反復可能であることこそが、PCRの増幅力の重要な鍵となります。プライマー間の伸長反応により合成される産物は、後に続くサイクルのテンプレートになります。サイクルごとにターゲットとなるDNAのコピー数はおよそ2倍に増えていきます。したがって、わずか20サイクルのPCRにより、ターゲットのおよそ100万(220)コピーが合成されることになります。
《PCRサイクルの流れ》
PCRはサイクルを繰り返しながらDNAを増幅するプロセスです。各サイクルは以下に詳説する3段階から構成されます。サイクルが繰り返された結果、ターゲットDNAの総コピー数が急速に増加します。では、この3段階を具体的に見ていきましょう。
<ステップ1>
加熱(通常90℃以上)することにより、テンプレートの2本鎖DNAが分かれて1本鎖になります。2本の鎖をつなぐ塩基間の水素結合力は弱いので、高温によって切断されますが、デオキシリボースとリン酸の間をつなぐ共有結合は強く、高温でも変化しません。このプロセスはサーマルサイクラーで行われます。サーマルサイクラーは、PCRに必要な加熱と冷却の変動サイクルを自動的に制御する装置です。
<ステップ2>
PCRの目的は、ターゲットDNA鎖全体の複製ではなく、実験対象となる生命体に特有な約100~35,000塩基対のターゲット配列を複製することです。プライマーはこのターゲット配列の両端を定義する役割を持っています。
一般的に、プライマーは20~30塩基の長さからなる1本鎖の合成DNAです(理論上、ランダムな30億塩基対において、16merは全ての個々のプライマー配列(416)を規定するのに十分な長さです)。アニーリング温度は、プライマーの長さや配列に依存し、通常40~65℃の間です。この温度条件下で、プライマーがターゲット配列に特異的に結合(anneal)します。
<ステップ3>
プライマーを相補的なDNA配列に結合(anneal)させた後、約72℃まで温度を上昇させます。この温度条件下で耐熱性ポリメラーゼ(Taq DNAポリメラーゼなど)による新たなDNA分子の合成が始まります。耐熱性DNAポリメラーゼは反応溶液中に含まれるフリーのヌクレオチド(dNTPs)を取り込みながら、テンプレートとして使用したターゲットDNAに相補的な配列のDNA 分子を合成します。
DNA合成は常にプライマーの3’末端から始まり、5’から3’方向へのみ伸長していきます。したがって、1本鎖DNAテンプレートから、プライマーを開始点とする相補的な2本鎖のDNA分子が効率よく合成されます。
<サイクルの終了後>
PCRの初めのサイクル終了後には、オリジナルのターゲットと同一の配列を持つ新しいDNA鎖が2本合成されます。
以上がPCR法の基本的な流れになります。
う〜ん…なんだか難しいですね😵💫
もっと簡単に説明しますと、増幅したい DNA とその両端の配列に相補的 な一対の DNA プライマーおよび耐熱性 DNA ポリメラーゼを用いて、3 段階の温度変化を n サイクル繰り返すことによって標的 DNA を 2n 倍に増幅することができる検査方法です。
一般的には僅かなDNA検体を数百万〜数十億倍に増幅することが可能な技術です。
増幅したDNAを元に、対象菌の同定を行います。
対象のP.g菌(Porphyromonas gingivalis)と同じ塩基配列であれば、P.g菌と判断可能な訳です👍
【オルコアのメリット】
オルコアのメリットは、〈時短(45分)〉〈操作が簡単〉〈検査コストの削減〉〈歯周病菌の存在の可視化〉〈設置がコンパクト〉になると思います。
従来の歯周検査項目といえば、、、
「出血(BOP)」「歯周ポケット(PD)」「動揺度」「PCR(プラークコントロールレコード)」
ですが、この項目は一般の方にはなじみがなく、なかなか理解することができません。
たとえ「PDが8mmあります!」といっても、どれくらい歯周病が進行しているかイメージがわかないと思います。
しかし、「あなたのお口の中に悪い菌がいます!」とお伝えすると、どんな人でも自分の口が気になるでしょうし、菌を減らしたいと思うはずです。
臨床サイドからも「PCR検査は菌がどれくらい口の中にいるかが分かるので、歯周病に詳しくない人にも治療の必要性をお伝えできる」といった声も出ています。
しかし、大半の歯科医様はPCR検査を利用していません。
その理由としては、
・検体を採取して外部検査機関に送る必要がある
・検査費用が1回1万円以上と高額*
・検査結果が分かるまでに1週間以上の時間を要する*
といった問題が挙げられます。
口腔細菌検出装置orcoa(オルコア)はこれらのデメリットを解決し、手軽にPCR検査をご利用いただけるようになりました。
そんなorcoa(オルコア)の特長をご紹介いたします!
*一般的な外部検査機関に、歯周病菌に関してのPCR検査を依頼した場合
《orcoa(オルコア)は院内でPCR検査ができる装置です!》
「口腔細菌検出装置orcoa(オルコア)」は歯周病菌の親玉であるポルフィロモナス・ジンジバリス(通称P.g.菌)を測定することができるPCR装置です。
専用のキットを使うことで誰でも簡単に、かつ高精度で測定することができます。
P.g.菌の数の目安が装置に表示されると同時に、P.g.菌が検出された場合はLEDが赤色に光るためインパクトも大きいです。
《orcoa(オルコア)ならその日のうちに結果が分かる!》
歯科医院でもできる歯周病菌の遺伝子検査として、外部の検査機関に出す方法があります。
非常に細かく多菌種を測定することができますが、高額かつ検査結果が届くまで1週間以上かかってしまいます🤔
「orcoa(オルコア)は検査結果を当日にお伝えし、治療に対する意識が薄れる前にセルフケア指導や次回以降の治療内容を説明することができ、通院の必要性を理解してもらいやすい」、「患者さんとコミュニケーションが取れるようになった」、「検査後は患者さんがしっかり歯を磨くようになった」という声も頂いています。
《検査方法は歯間ブラシでプラークを取るだけ!》
専用の検査キットは特殊な技術が要らない簡単操作。歯間ブラシでプラークを採ったら、専用液に付けてフタに塗り付けて閉めるだけ。
採取時にもほとんど痛みがない検査です。
《検査結果を分かりやすい用紙で説明が可能!》
orcoa(オルコア)のP.g.菌検出結果は専用のWeb上で管理し、結果画面を印刷して情報を共有することができます。
以上、いかがでしたでしょうか❓
途中、少し難しい説明も入ってしまいましたが、オルコアは短い時間で患者様のお口の中の歯周病菌の数を分かりやすく数値化・グラフ化してくれる装置です。
今まで、専門機関や大学🏥などでしか行えなかった検査がクリニックで出来てしまいます。
その意義は大変大きく、直ぐに情報として患者様に結果をご提供出来るので、患者様とのコミュニケーションやモチベーションの維持に大きく役立ってきます。
今回このような機器を導入しましたので、是非気になる患者様は担当の歯科医師または歯科衛生士へご相談下さい🙇
では、今回はこのへんで〜👋
また次回、元気にお会いしましょう❗️
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