CLINIC BLOG
口腔顔面領域の歯科医学~顎変形症の治療について~
こんにちは🌞
北24条かやの歯科クリニックのどいです。
🎍新年あけましておめでとうございます🎍
もうお仕事始まっている方が大半だと思いますがどんなお正月でしたでしょうか?
私はひたすら寝正月でした😂
増えた体重を減らすべく、今年も健康に気を遣って参りたいと思います!
ブログのほうも頑張って書いていきたいと思いますので、皆さままた一年よろしくお願い申し上げます🙇
さて、今回は引き続き顎(あご)についての話題で顎変形症の治療についてお話させて頂きます。
おさらい…、
【顎変形症とは?🤔】
顎変形症とは、上あごや下あごの形や大きさ、位置、バランスの異常によって生じる状態の総称です。顎変形症の発生には遺伝的な要素が強いと言われていますが、ほとんどは原因不明です。 指しゃぶりや舌を出す癖なども発生要因とする説があります。顎変形症の症状には、次のようなものがあります↓
- 顎が出ている、曲がっている、ひっこんでいる、形が気になる
- 受け口の程度が大きい
- 出っ歯の程度が極端に大きい
- うまくものが咬めない、奥歯しかあたらない、どこでかんでいいかわからない
- 発音しにくい音がある
- くちびるが自然に閉じられない
- 顎がカクッとなる
顎変形症を放置すると、見た目だけでなく噛み合わせや発音、咀嚼など、お口の機能にさまざまな問題が生じることがあります。顎変形症と診断されれば、健康保険適応の外科矯正を実施することができます🏥
【顎変形症の治療法】
《上顎前突、上顎後退、開咬、顔面非対称の場合》
・Le Fort I 型骨切り術
上顎骨を下鼻道の高さで水平に骨切りし、上顎の骨片を完全に遊離させ、顔貌および咬合状態の理想的な位置に上顎を移動させる手術方法です。
顎変形症の患者さんは多くの場合、上下顎ともに位置異常がみられますので、上顎と下顎を組み合わせて行う手術が多くの割合を占めています。
《下顎前突、下顎後退、開咬、下顎非対称などの場合》
・下顎枝矢状分割術(SSRO)
下顎枝を矢状方向*に内外の骨片に分割する方法で、骨切離面に広い接触が得られ、術後の安定性が高い手術方法です。下顎枝を筋突起および関節突起を含む近位骨片と下顎体部を含む遠位骨片に分離します。歯列弓を含む骨体部を3次元的に移動することが可能です。
矢状方向:解剖学における身体の前面から背面への、または背面から前面への方向です。
《軽度の下顎前突、下顎非対称の場合》
・下顎枝垂直骨切り術(IVRO)
下顎枝を下顎切痕から下顎下縁にかけ、垂直に骨切りする方法。下顎枝を下顎孔の後方で、関節突起を含む近位骨片と筋突起および下顎体部を含む遠位骨片に分離する手術方法です。
顎関節を解放するので重度の顎関節症に適用されることもあります。
《オトガイ過長、オトガイ後退(小下顎症)、オトガイ偏位、口唇閉鎖不全症の場合》
・オトガイ形成術
オトガイの骨を水平に骨切りし、その骨片移動によるオトガイの位置や形態を修正する手術法です。
【顎変形症の治療の流れ】
顎変形症の治療は、矯正治療と顎の手術を組み合わせた「外科的矯正治療」で行われます。治療は4つの段階で進み、平均して3年程度かかります。
↓治療の流れは次のとおりです↓
- 手術の適応かどうかの確認
- 施設基準
- 矯正治療の実施
- 術前矯正治療
- 手術申し込み
- 術前検査、麻酔科受診、自己血貯血
- 入院、顎矯正手術
- 退院直後の経過
手術前日は入院し、夜から手術室に入るまでは絶飲食となります。手術時間は術式によって異なりますが、1時間~3時間程度です。手術後は1週間から10日程度の入院となります。術後2~3日目から、望ましい噛み合わせ(咬合)の位置で噛むように、上下顎のアーチワイヤー間にエラスティックを掛けます(顎間固定)。
退院時にはご自身で着脱できるように、入院中に担当医と一緒にトレーニングします。ます。退院後は手術から約3か月まで継続して行っていただきます。食事摂取のときは外し、歯磨きをしたあと、ゴムかけをしてください。
【手術後の矯正治療】
《術後矯正治療》
手術後、骨がきれいにつく(癒合:ゆごう)までは、2か月ほどかかります。また手術直後は、移動した骨が筋肉などに引っ張られて、元に戻ろうとします。あごの骨の位置関係を安定させるために、上下のワイヤーにゴムをかけて経過を見ます。あごの骨の位置が落ち着いたら、歯を動かしてかみ合わせの最終調整を行います。舌やお口まわりの筋肉の機能的な調和を促すために、口腔筋機能療法を行う場合があります。月に一回程度の通院が必要で、おおよその期間は歯を動かし始めてから1年前後です。
《保定》
マルチブラケット装置を外した後、取り外しできる保定装置を使いながら、かみ合わせの経過をみます。2〜3か月に一回程度の通院が数年間必要です。
《プレート除去術》
手術のときにあごの骨を固定するために使用したプレートやスクリューの取り外しを希望される患者様は手術を行います。体に吸収される素材でできた固定用プレートやスクリューを使用した場合は、必要ありません。術後1年以降であごの骨の位置が落ち着いた時期に行います。最初の手術とは異なり、骨を削ったりするわけではありませんので、患者様の体への負担も少なく、入院期間も短いです。
【外科的矯正治療について】
顎の変形が軽い場合は、歯の矯正治療で対処します。しかし、矯正治療だけでは良好な噛み合わせや容貌を得ることが難しい場合は、矯正治療と顎矯正治療を組み合わせた「外科的矯正治療」が行われます。
顎変形症の治療は、矯正+入院手術に健康保険が適用されます。一般的な自己負担額(3割)は、術前後の矯正歯科治療が約40~100万円前後(平均45万円程度)、高額療養費制度利用にて入院手術が1回目約24~33万円前後、2回目(抜釘その他)7~11万円前後かかります。
手術は顎の成長が終了してから行うのが一般的で、女性👩🏻では14〜15歳以降、男性👨🏻では18〜19歳以降が対象となります。年齢の明確な上限はありませんが、高齢者では、歯の周辺の歯周組織に加齢現象がみられて歯列矯正治療の終了までに時間がかかります。
以上、いかがでしたでしょうか?🤔
少し長くなってしまいましたが、今回は外科的矯正の術式と治療の流れについてご説明させて頂きました💁
外科的矯正を行うにあたっては、かかりつけの矯正治療を行う歯科医院などとの連携が非常に重要になってきます。まずはご自身の顎の形態や顎関節、嚙み合わせなどに違和感を感じた場合はかかりつけの歯科医院へご相談下さい🙇
歯科医師が矯正治療が必要かどうか診断致しまして、然るべき医療機関(矯正専門の歯科医院や大学病院など)へご紹介させて頂きます。
では、今回はこのへんで~👋
また来週元気にお会いしましょう。
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