CLINIC BLOG

口腔顔面領域の歯科医学~顎変形症について~


こんにちは🌞
北24条かやの歯科クリニックのどいです。

天気予報では札幌市内でも積雪があると聞いていましいたが…、
結局降らず仕舞いで道路はツルピカのアイスバーン🧊
最早スケートリンク状態のところもありますね💦
今季はまだ一回も転んでいませんが、いつか滑って転びそうで怖いです。
皆様もお足元気を付けて、転倒事故にご注意下さい🙇

さて、今回は引き続き顎(あご)についての話題で顎変形症についてお話させて頂きます💁

顎の発育異常で、顔面形態の異常や機能障害を伴うものを顎変形症といいます。生まれつきのもの(先天性)と、生後に生じたもの(後天性)とがあります。

↑下顎前突症の男性(受け口)↑

【上顎後退症(じょうがくこうたいしょう)】

上顎の骨の成長が悪いために、上顎が陥凹したようにみえます。唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)の術後やダウン症候群で多くみられます。下顎の歯列が上顎の歯列に対して前方で噛み合っているのが特徴です。

上顎後退症の症状には、次のようなものがあります。

  • 顔が短い感じがする
  • 笑顔のとき上の歯が隠れていてよく見えない
  • 顔が左右非対称で歪んでいる

【下顎後退症(かがくこうたいしょう)】

下顎の骨の成長が悪く、鳥の横顔のようにみえます(鳥貌 ちょうぼう)。顎の関節が外傷や感染などにより傷害された場合(顎関節強直症 がくかんせつきょうちょくしょう)によく生じます。

下顎後退症では、次のような機能的問題(症状)が起こることがあります。

  • 上下の歯のかみ合わせが悪い・前歯で食べ物が咬めない
  • いびきがうるさいと指摘される
  • 口が閉じにくい
  • 寝ている時に呼吸が止まると指摘される
  • 顎周辺の関節が痛む(顎関節症のリスクが高まる)

【上顎前突症(じょうがくぜんとつしょう)】

上顎の骨が異常に発達したため、咬合時に上顎の前歯が下顎の前歯より異常に前の方にあります。これには、単に歯のみが突出している歯性のものと、上顎の骨自体が前突している骨格性のものとがあります。歯性のものでは口を閉じても前歯が口から出ていることが多く、乳幼児期の指しゃぶりや口呼吸などの悪習慣によって生じることが多いといわれています。骨格性のものでは顔の中央部が突出してみえます。

上顎前突(じょうがくぜんとつ)は、上顎が前に出ている状態です。主な症状は次のとおりです。

  • 口を閉じづらい
  • 咬む能力が低下する
  • 上下の歯がうまくかみ合わない
  • 笑った時に歯茎が見えやすい
  • 上下の唇も突出し、口元も閉じにくい

【下顎前突症(かがくぜんとつしょう)】

下顎の骨が異常に発達したため、咬合時に下顎の前歯が上あごの前歯より前方にあります。反対咬合は、俗に「受け口」ともいいます。顔の中央部がやや陥凹し、顔の下半分が長く、横からみると皿様あるいは三日月様にみえます。この異常は日本人にとくに多くみられます。上顎前突症と同様に、歯性と骨格性のものとに分けられます。

下顎前突の症状には、次のようなものがあります。

  • 会話や食事の際に、正しいあごの動きができにくく、滑舌が悪くなったり、食事の際に少しクチャクチャと音を立てながら食べてしまいやすくなります。
  • 上下の歯の接触状況も悪く、前歯や奥歯に負担がかかりやすく、歯の健康の上でも良い状況とは言えません。
  • 前歯が機能しないため、咀嚼時に顎に負担が生じやすく、物をかむ効率も低下します。

以上のほか、咬合時に上下の前歯にすき間を認める開咬症(かいこうしょう)や、下顎骨が左右非対称で、このため顔も非対称となる顔面非対称(がんめんひたいしょう)などの異常があります。開咬症では、口を閉鎖できないため口呼吸となり、口腔乾燥症の原因となったり、咀嚼(そしゃく)や発音にも障害をきたします。これらの病態は組み合わさって生じることもあります(小上顎症+下顎前突症、下顎前突症+下顎非対称など)。

【顎変形症の治療】

各変形症についての治療方法について詳しくは次回以降ご説明致しますが、いずれの場合も、歯並びを矯正しただけでは十分な結果は得られず、外科的に矯正する顎矯正手術(がくきょうせいしゅじゅつ)が必要です。顎変形症の治療には、手術のみならず、その前後に矯正治療(きょうせいちりょう)による歯の移動が必要です。手術によって、一時的に治療前よりも咬合のずれが大きくなることがありますが、手術による骨格的な移動を見越しての移動なので仕方ありません。手術は、多くの場合、口の中の切開によって行われるので顔に傷がつくことはありません。異常のある顎骨を骨切りし、正常な位置まで移動させます。移動後は骨切りした部位をプレートやスクリューなどで固定します。それに加えて口の中の矯正器具を使って、一定期間、上顎と下顎があまり開かないように抑制するのが一般的です。その後、徐々に口を開ける練習(リハビリ)を行います。あとは歯の位置の微調整をするために術後矯正治療を行います。

以上、いかがでしたでしょうか?🤔

顎変形症の症状には、次のようなものがあります。

  • 顎が出ている、曲がっている、ひっこんでいる、形が気になる
  • 受け口の程度が大きい
  • 出っ歯の程度が極端に大きい
  • うまくものが咬めない、奥歯しかあたらない、どこでかんでいいかわからない
  • 発音しにくい音がある
  • くちびるが自然に閉じられない
  • 顎がカクッとなる

上記の症状が少しでも当てはまる方は顎の変形を疑ってもよいかと思います。まずは思い当たる症状で歯科医院を受診されるのをおすすめ致します🙆
一般の歯科医院である程度の顎の変形具合を診断することができます。
そこで得られた情報を元に専門の歯科医師による矯正治療を行う、もしくは矯正治療を行う上で外科的矯正が必要と判断された場合には口腔外科へ紹介させて頂きます。

顎について気になることがあれば、お気軽に担当の歯科医師までご相談下さい🙇

では、今回はこのへんで~👋

次回で年内最後です。
また元気にお会いしましょう。

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