CLINIC BLOG
口腔顔面領域の歯科医学~口腔粘膜疾患その①~
こんにちは🌞
北24条かやの歯科クリニックのどいです。
いやぁ~また天候が荒れましたね💦
飛行機は欠航が相次ぎ、快速エアポートも運休など、
移動や観光で行き来された方々には大変だったと思います。
もうすぐですが、雪まつりの時期は天候に恵まれるのを祈っています🙏
さて、今回は口腔粘膜疾患をご紹介させて頂きます。
口腔粘膜疾患は種類が多いので、今回は2回に分けてブログにさせて頂きます🙇
【白板症(はくばんしょう)】
《症状》
白板症は、口腔内の粘膜が白く変化する前がん病変*です。舌や歯肉、頬粘膜などによくみられ、擦っても取れず、長期にわたって病変が残り続けるのが特徴です。
白板症は、歯磨きのとき自分で気がついたり、歯の治療のとき歯科医師に指摘されたりして、受診される方が多いです。
白板症は自然に治癒することは難しく、原因をなくしたとしても簡単には治りません。早期で発見すれば対症療法で改善できるケースもあります。
*前がん病変とは?:(口腔潜在的悪性疾患)癌になる前の状態を指します。正常な組織に比べ、癌の発生しやすい形態学的変化を伴った組織で、癌の発生の危険性が明らかに増加している状態です😥
《原因》
喫煙やアルコールによる刺激、義歯などによる慢性の機械的刺激、ビタミンAやBの不足、さらに加齢や体質なども関係するといわれています。
《治療》
白板症の処置としては、薬物療法、切除、凍結療法、レーザーによる蒸散などがあります。薬物療法ではビタミン A 酸が有効です。小範囲のものは原則として切除、広範囲なものに対する外科的治療として凍結療法、レーザーによる蒸散が行われます。刺激除去療法のみでは白板症の完全消失は認められません。
白板症の検査としては、最初に擦過細胞診を施行します。原則的には次に生検を施行して病理組織学的診断に基づいて治療方針を決定します。
【紅板症(こうばんしょう)】
《症状》
紅板症は、鮮紅色のビロード状*で表面は平滑な病変で、触ったり、刺激物を食べたりすると痛みがあります。境界は明瞭なものが多く、初めて発病する場合には、刺激痛が多くで認められます。紅板症は、紅色肥厚症(こうしょくひこうしょう)とも呼ばれます。白板症に比べて頻度は低く、非常にまれですが、前がん病変もあります。
口腔粘膜が赤すぎる、あるいは白すぎる状態はよくなく、特に粘膜が赤くなる紅板症は白くなる白板症よりもがんになる可能性が大きく、悪い状態だといえます。
一般的に50歳代以上の高齢者が全体の80%を占めています。
紅板症の50%前後が悪性化するといわれています😱
*ビロード状とは?:表面が平滑で鮮紅色をしており、境界が明瞭な状態を指します。
《原因》
紅板症(こうばんしょう)の原因ははっきりしていませんが、白板症と同じように口内の慢性的な刺激が考えられます。
具体的には、次のようなものが考えられます。
- アルコール
- タバコ
- 不良補綴物
- ビタミンA、Bの不足
- 加齢
《治療》
紅板症の治療は、一般的に経過観察か外科的に切除するかのどちらかです。病変をすべて切除することが確実な治療法です。紅板症は、舌、歯茎、頬の粘膜などに生じます。紅板症は一部が既にがん化しているものも多いため、治療法は切除が基本です。
紅板症の局所的な治療としては、うがい薬や副腎皮質ステロイド薬を含む軟膏を使用します。また、5-Fluorouracilを使った5-FU軟膏を局所に投与する方法も効果的だとされています。
【口腔カンジダ症】
[image]
《症状》
おもにカンジダ・アルビカンス🦠という真菌(しんきん:かび)によっておこる口腔感染症です。急性型と慢性型があります。口腔粘膜の痛みや味覚障害が出ることもあります。
急性型である偽膜性(ぎまくせい)カンジダ症は灰白色あるいは乳白色の点状、線状、あるいは斑紋状の白苔が粘膜表面に付着しています。この白苔をガーゼなどでぬぐうと剥離可能ですが、剥離後の粘膜面は発赤やびらんを呈しています。白苔が認められない萎縮性(いしゅくせい)あるいは紅斑性(こうはんせい)カンジダ症は舌乳頭の萎縮や粘膜の紅斑が特徴で、偽膜性よりもヒリヒリとした痛みが強くなります。口角の発赤、びらん、亀裂を認める口角炎もカンジダが原因になっていることが多くあります(カンジダ性口角炎)。病変が慢性に経過した肥厚性(ひこうせい)カンジダ症では、白苔は剥離しにくく、上皮の肥厚を伴うようになります。
《原因》
カンジダ菌🦠は口腔内の常在菌の一種で、普段はある程度以上は菌数が増えないように他の菌と共存しています。しかし、副腎皮質ステロイド薬の投与や糖尿病、AIDS、全身衰弱などによって免疫力が低下している状態、唾液量の減少、長期間にわたる抗菌薬の服用などにより、常在菌間のバランスが崩れ、カンジダ菌が異常に増殖し、病原性を発揮することにより発症します。口腔乾燥や義歯清掃不良もリスク因子となります。
《治療》
口腔カンジダ症の治療には、抗真菌剤の入ったうがい薬、ぬり薬(軟膏)、内服薬を使用します。数日間、うがいやぬり薬をつづければ、ほとんど治ります。うがいの場合は、5分間、口の中によく含んでから、外に吐き出します。
治療は歯科医院で可能です。口腔内の清掃、不潔な入れ歯の清掃、抗真菌薬💊を含むうがい薬や塗り薬を使用します。時に抗真菌薬の内服を必要とすることもあります。
口腔カンジダ症治療の主要抗真菌剤💊には、次のようなものがあります。
- ポリエン系抗生物質(ナイスタチンやアムホテリシンBなど)
- グリセオフルビン(フルビスタチン)
- アゾール系抗生物質(ミコナゾール、クロトリマゾール、フルコナゾールなど)
口腔カンジダ症は多くは1〜2ヶ月で治りますが、治療が長引いたり、再発することもあります。治療中も口腔ケアは欠かせません。
以上、いかがでしたでしょうか?🤔
口腔粘膜疾患は数多くあり、今回は白板症・紅板症・口腔カンジダ症の3つをご紹介させて頂きました。
特に、白板症・紅板症は前がん病変とも呼ばれ、がんに移行する確率の高い病気で注意が必要です。
手遅れになる前に、「舌」や「口腔粘膜」に異常を感じたら、まずはかかりつけの歯科医院を受診して下さい。
必要に応じて、大学病院など高度な医療を提供できる場所での治療が必要になります。
では、今回はこの辺で〜👋
また来週元気にお会いしましょう🙋
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