CLINIC BLOG

口腔顔面領域の歯科医学〜顎(あご)の骨折について〜


こんにちは🌞
北24条かやの歯科クリニックのどいです。

本格的に寒くなってきましたね🥶
本州のほうでは20度超えになったりと異常気象ですが、若干羨ましかったり…💧
札幌市内の路面は凍ってアイスバーン状態。
皆さま、お車やお足元には気をつけてご来院下さいませ🙇

では、今回はあごや顔面の骨折についてお話させて頂きます🙋

顔面はいろいろな原因で外傷を受けやすい部位で、上顎骨骨折や下顎骨骨折のほかに頬骨骨折、頬骨弓骨折、鼻骨骨折もみられます。あごが骨折部位を中心にずれることがあり、かみ合わせを重視した機能回復が重要となります🧐

顎骨(がっこつ/がくこつ)骨折という用語は通常、下あご(下顎骨)の骨折を意味します。上あご(上顎骨[じょうがくこつ]と呼ばれる骨の一部)の骨折は、顎骨骨折と呼ばれることもありますが、通常は顔の骨折とみなされます。

下顎骨の骨折の原因で最も多いのは、殴られるまたは野球バットなどで打たれるといった鈍的外傷です。

上顎骨の骨折は、顔の前面を動かない物体にぶつけたとき(高所からの転落や自動車衝突事故など)に起こります。こぶしや武器などの鈍器で殴られて起こることもあります。歯槽骨(しそうこつ)だけが折れるあごの骨折もあります。

【🦴骨折の種類🦴】

原因がボールがぶつかる等の、外から受けた力(外力)による骨折を外傷性骨折、炎症や腫瘍などで骨の組織が壊れて起きるものを病的骨折といいます。
力が加わった場所に起きた骨折を直達骨折(ちょくだつこっせつ)、力が加わった場所から離れた場所に起きた骨折を介達骨折(かいだつこっせつ)といいます。
また外から見て、傷を伴わない骨折を単純骨折または閉鎖骨折といいます。外から見て骨折とわかる傷がついた骨折を複雑骨折開放骨折といいます。

【🦴骨折の原因🦴】

顎骨骨折はその大部分が外傷性骨折であり、原因は交通事故、けんか、スポーツ、作業事故などによって発生しますが、その内の過半数が交通事故によるものです。交通事故の中では二輪車の運転によるものが目立ちます。年齢的には青壮年、男女別では男性が圧倒的に多く見られます。最近では高齢者の転倒による骨折も増加しつつあります。また子供の場合児童虐待による骨折もあり、注意が必要です。

【🦴下顎骨骨折(かがくこつこっせつ)🦴】

口腔外科を訪れる顔面の外傷の中で最も多いのが下顎骨骨折です。
基本的に内出血や顔面の腫れ、変形、痛みなどは、どの顔面骨折でも認められます😣
この他に特徴的な症状として、下顎骨骨折では噛み合わせの異常・口を開けたり閉じたりするのが困難になります。
下あごには様々な筋肉があり、折れた骨が筋肉に引っ張られることによりさまざまな方向に向かいます。これにより噛み合せがくるってきます。
症状は、必ずしも力が加わった場所だけにでるわけではなく、あごを動かした時の痛み、噛みあわせが合わなくなります。

受傷後すぐに症状に気づかず、数日してから噛み合わせがずれていることで気づくこともあります。
口のなかから直接見えない下顎角部(エラの部分)や顎関節部(耳の前)の骨折が起こっている場合もあります。
またそのような場合は、下顎の変形や歯並びが悪くなることもあります🤔
診断はまず出血や呼吸の様子を観察したうえで、あごのけがそのものの診察・検査に進みます。
問診・視診・触診で骨折箇所の推定も行います。
X線写真により診断したり、 CT画像によりより正確な診断を行うこともあります。 

【🦴下顎骨骨折の治療🦴】

下顎骨骨折の治療では、折れた骨がくっつくようにあごを固定します。軽い骨折であれば、噛まないようにするだけで治るため、液体の栄養剤または柔らかい食事を処方します。より重度の骨折(骨折部位が複数あるもの、骨折端がずれているもの[転位骨折]など)では、あごの修復を必要とします。

骨に金属プレートをあてがい骨折部位の両端をスクリューで固定するか、上あごと下あごをまとめてワイヤーで固定し、数週間待ちます。ワイヤーであごが閉じられている場合、食事はできず、ストローを使って液体だけを飲むことになります。その間、歯の表面の一部しか磨くことができないので、1日2回使用する洗口液が処方されます。あごをワイヤーで閉じて数週間したら、通常は訓練によりあごを強化しなければなりません。

小児では、耳に近い下顎骨骨折は固定しない場合もあります。その代わり、5〜10日間あごの動きをゆるく制限する器具を使うだけで十分です。

【🦴上顎骨骨折(じょうがくこつこっせつ)🦴】

上あごの骨が砕けたり、折れたりするけがが、上顎骨骨折です。多くの場合、顔面の中央部の外傷、転んだり、ケンカ、スポーツ事故、交通事故などで、あごを何かで強く打ちつけたなどのときに発生します。

皮膚や粘膜の損傷、骨折および歯の脱臼、破折などを同時に合併することが多くあります。皮膚や歯の損傷は簡単にわかりますが、骨折は外から見ただけでは判らないことがあります。全身のほかの怪我に気をとられ治療も終わり頃になってから、骨折に気がつくこともあります。口があけにくい、噛み合わせがあわないといった症状がある時は X線写真により診断したり、 CT画像により、より正確な診断も行うこともあります。

上あごの骨だけの骨折だけでなく、上あごの骨に隣接する骨(頬骨、鼻骨、口蓋骨の他、頭蓋底を構成する骨)の併発骨折を引き起こす場合が多くあります🤔

上顎骨の下半分が骨折したものを Le Fort(ル・フォー) I 型骨折、 上顎骨が鼻骨を含めて骨折したものをLe Fort II 型骨折と呼びます。また顔面の中央部が頬骨を含めて頭蓋骨と離れてしまう骨折を Le Fort III 型骨折と呼びます。また、上顎骨が真ん中で骨折したものは矢状骨折といいます。しかし実際には骨折の型はまちまちで、左右が別々に骨折していることが多く複雑化しています。

症状では口があけにくい、噛み合わせがあわない。 Le Fort II,III 型では、頭蓋底骨折を伴うために髄液漏もあります。鼻の変形や鼻閉感などの症状もみられます。眼窩周囲の骨折では、眼球👁️の変異や陥凹などの眼症状が発生します。

いずれの場合も手術による整復、噛み合わせの回復をはかります。

【🦴上顎骨骨折の治療🦴】

上顎骨の骨折では、視覚の異常、歯の噛み合わせの変化、あごが完全に開かない、眼球の陥没、顔面のしびれ、受け入れがたい容貌の変化などがあれば、手術を行います。手術が必要かどうかを判断するのに、けがの後数日間(腫れがひくのを)待ちます。典型的な手術は、ねじとプレートであごを固定することです。術後はあごを動かさないようにする必要がありますが、多くの場合は数日で十分であり、その後数週間は柔らかいものを食べるようにします。

以上、いかがでしたでしょうか?

顎の骨の骨折は比較的身近に発生します。
いずれの場合の骨折も重症な場合には、まず生命の維持に必要な全身的な処置や他の部位の外傷を優先的に処置します。顎骨骨折に対しては、まず応急的な処置として出血のみられる場合には止血し、二次的な感染を予防するために抗菌薬、痛みに対しては消炎鎮痛薬を投与します。

顎の骨折は顎だけでなく他の部位の損傷も考えられますので正しい診断を元に注意が必要です⚠️

今回は長〜くなってしまいましたが、今回はこのへんで〜👋

では、また次回元気にお会いしましょう❗

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