CLINIC BLOG
~洗浄と消毒・滅菌とは?~
こんにちは🌞
北24条かやの歯科クリニックのどいです。
暑い日が多くなりエアコンをつける機会も増えました💦
今日は七夕ですね🎋
私は本州出身なので今日が七夕という認識ですが、北海道では8月7日が七夕ですよね。
何故なのか調べましたが、北海道で8月に行う地域が多いのは、「旧暦」と「新暦」の違いが影響しているそうです。明治時代の1872年11月に新暦として太陽暦が採用されたことにより、旧暦に比べおよそ1カ月ほど日付がずれました。
「7月7月が七夕」の地域は、新暦に以降した際も、元々七夕を行っていた旧暦の「7月7日」という日付をそのままにし、新暦でも「7月7日」に実施しているのです。一方「8月7日が七夕」という地域は、旧暦の「7月7日」は新暦ではおよそ「8月」に相当するため、元々開催されていた日の「7日」だけを残し、月遅れの「8月7日」を七夕としているのです。
ちなみに、お盆も7月に行う地域と8月に行う地域があるのは、この七夕と同じように旧暦と新暦の違いが理由。函館や根室では、七夕もお盆も7月に行われています。
ふむふむ🤔、そういうエピソードがあったんですね。
さて、今回は洗浄と消毒・滅菌についてお話させて頂きます。
昨今のコロナ事情で洗浄や消毒・滅菌などといったワードを聞く機会も増えたと思います。
そこで、洗浄と消毒・滅菌、それぞれどう違うのといった疑問点にお答えしたいと思います。
【洗浄・消毒・滅菌の目的】
洗浄・消毒・滅菌の目的は、感染症の発生を事前に防ぐため、原因となる微生物を無効にすることである。
【洗浄・消毒・滅菌の意味】
滅菌(sterilization)とは、芽胞*を含むすべての微生物を殺滅することで、再使用可能医療機器(RMD)の滅菌プロセスにおいて、無菌性保証水準(sterility assurance level:SAL)10-6以下(SAL≦10-6)の達成が要求される。消毒(disinfection)とは、滅菌のできない対象物(生体を含む)を処理し、病原微生物数を疾病や感染症の伝播を起こさせないレベルまで減少させることである。洗浄(cleaning)とは、消毒・滅菌を効果的に遂行できる程度まで、あるいは、意図する使用に適するまで、対象物から汚染物を除去することである。
*芽胞とは細菌が生育環境が悪化したときに形成する耐久細胞で、胞子やスポアとも呼ばれます。菌を守る殻のようなもので、厚い皮膜に包まれた球状体に変化した状態です。熱や薬剤、乾燥、紫外線などに強い耐性があり、数分間の煮沸やアルコール消毒程度では死滅しません。100℃の加熱に耐えることができ、数年から十数年間生存することもありますが、増殖はできません。
*無菌性保証水準(SAL)とは、滅菌後に生育可能な1個の微生物が存在する確率のことを指し、医療機器の滅菌においてはSAL≦10⁻⁶(100万分の1)の達成が求められます。
【洗浄について】
あらかじめ可能な限りの汚れや微生物🦠を除去することによって、その後の消毒・滅菌がより確実で精度が高くなる。洗浄には用手洗浄と機械洗浄がある。
☆用手洗浄
・ ブラッシング洗浄:ブラシの物理的作用により汚染物を除去する。
・ 浸漬洗浄:洗剤による化学的作用と循環水流による物理的作用により汚染物を除去する。
・ 清拭洗浄:濡らせないもの、浸漬できないものに対して行う。
☆機械洗浄
・ ウォッシャーディスインフェクター:予備洗浄→本洗浄→中間すすぎ→最終すすぎ→乾燥を機械で行える。加圧水流と洗浄剤による洗浄後、最終すすぎは熱水消毒を兼ねる。→歯科でも用いられている
・ 超音波洗浄器:洗浄液に超音波を放射して洗浄を行う。→歯科では一般的に用いられる
・ 減圧沸騰式洗浄器:沸騰により洗浄とすすぎが行われる。→歯科でも用いられている
・ 内視鏡洗浄消毒装置(automated endoscope reprocessors:AER):軟性内視鏡の洗浄消毒に用いる。消毒には、高水準消毒薬を使用する。→歯科では用いられない
☆洗浄の注意点
洗浄工程は作業者にとって感染☣のリスクがあるため、可能な限り洗浄物との接触を避ける。洗浄業務をおこなう医療従事者は、個人防護具(personal protective equipment:PPE)を正しく使用し、着脱することが望ましい。
【消毒について】
消毒には物理的消毒法と化学的消毒法がある。
☆物理的消毒法
1. 熱による
・ 流通蒸気法:100℃の流通水蒸気中で、30~60分間放置する方法。
・ 煮沸消毒法:沸騰水中に沈め、15分間以上煮沸する方法。
・ 間歇消毒法:80〜100℃の熱水又は流通水蒸気中で1日1回、30〜60分間ずつ3〜6回加熱を繰り返す方法。
・ 熱水消毒法:80℃・10分間の処理で芽胞以外の一般細菌を感染可能な水準以下に死滅または不活性化する方法。
2. 紫外線による
・ 紫外線殺菌法:通例、254nm付近の波長を持つ紫外線を照射する方法。非加熱・非接触・ノンケミカルという特徴がある。
☆化学的消毒法
1. 消毒薬による : 消毒薬を用いて病原微生物を殺滅する方法。生体及び環境と非耐熱性器具などが対象となる。
2. オゾンによる : オゾン発生装置による。オゾン発生装置による除菌効果は、高湿度環境下でしか効果が得られないことと高濃度での人体への有害作用など、使用条件に制限がある。
☆消毒薬による消毒
医療器具を感染の危険度に応じてクリティカル、セミクリティカル、ノンクリティカルにリスク分類したものがSpaulding(スポルディング)の分類である。消毒薬はその効果(スペクトル)により高水準・中水準・低水準に分類されている。高水準消毒薬(HLD)は、微生物のなかでもっとも消毒薬抵抗性が大きい芽胞に効果がある。中水準消毒薬(ILD)は結核菌を含む細菌、ほとんどのウイルス、真菌に効果がある。低水準消毒薬(LLD)はほとんどの細菌と真菌、一部のウイルスに有効であるが結核菌には無効(一部有効)で、消毒薬耐性微生物も存在する。また、消毒薬は生体に使用するか、非生体(物品や環境)かで大きく分類される。消毒する対象と効果を考え合わせて消毒薬を選択する。
1. 🧪高水準消毒薬(HLD)
高水準消毒薬は材質劣化作用が小さく、専ら内視鏡自動洗浄機による内視鏡の消毒に使用される。呼吸器系や眼の粘膜を刺激するため蒸気曝露や眼への飛入および皮膚への付着に対して注意を払い、十分に換気を行う必要がある。グルタラールとフタラールはどちらもアルデヒド系の消毒薬である。グルタラールは使用前に緩衝化剤の添加が必要となる。過酢酸は市販消毒薬のなかではもっとも強力な殺菌効果を示す。
2. 🧪中水準消毒薬(ILD)
中水準消毒薬のうち、次亜塩素酸ナトリウムは高濃度長時間の接触で芽胞にも効果を示すほど広範囲の抗微生物スペクトルを示す。Clostridioides difficileやノロウイルスに対して、また、血液汚染時の環境消毒薬として使用できる。一方、金属腐食性、脱色性、塩素ガス発生、有機物で不活性化されやすいという欠点がある。パルプ製品とともに使用すると残存塩素濃度が著しく低下する。ポビドンヨードは生体の消毒薬である。粘膜にも使用できる数少ない消毒薬である。効果の発現に2分程度の時間がかかるため、「乾くまで待つ」と指導することが多い。アルコールには、消毒用エタノール(76.9~81.4%)と70%イソプロパノールがある。短時間で消毒効果を示す。粘膜や損傷皮膚に対しては刺激性が強いため使用しない。また、引火性があるため電気メスの使用時には乾燥を確認する。
3. 🧪低水準消毒(LLD)
低水準消毒薬はすべて臭いがなく材質を傷めにくいため使いやすいが、抗微生物スペクトルがせまく、汚染されやすい。カット綿などを浸して使用する場合は24時間毎に作り直す必要があるため、現在は単包製品を使用することが多い。第四級アンモニウム塩にはベンザルコニウム塩化物とベンゼトニウム塩化物がある。生体・非生体の両方に使用され、粘膜にも使用できる。経口毒性が高いという特徴があり、10%製品の成人致死量は10〜30mLである。両性界面活性剤にはアルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩があり、界面活性作用による強い洗浄効果も持つ。器材や環境の消毒に用いられる。低水準消毒薬の中では唯一長時間接触で結核菌に効果を示す。クロルヘキシジングルコン酸塩は主に生体に使用される。創傷部位へは0.05%で使用するが、0.5%ではショックが起こる可能性がある。また、結膜以外の粘膜への適用も同じ理由で禁忌である。
☆消毒薬の注意点
消毒薬は、対象により使用濃度が異なるので確認する。その他効果に影響を与える因子として、有機物、温度、接触時間、対象物の物理的かつ構造的特性等がある。 参考として、日本環境感染学会より「環境消毒薬の評価指針2020」ならびに「生体消毒薬の有効性評価指針:手指衛生2023」が策定されている。
【滅菌について】
滅菌は物理的滅菌法と化学的滅菌法に分けられる。
☆物理的滅菌法
・ 高圧蒸気滅菌:高圧蒸気滅菌器のことをオートクレーブという。オートクレーブの滅菌温度は、一般的に121℃で15~20分間です。滅菌する物質や器具の種類や量によって異なりますが、115℃で30分間、126℃で15分間、134℃で10分間などもあります。温度が低くなるにつれて滅菌時間も長くなります。病院内で短時間に確実に滅菌できる方法である。非耐熱性のものは滅菌できない。→歯科でも用いられ、最も一般的な方法
☆化学的滅菌法
・ 酸化エチレンガス(ethylene oxide gus:EOG)滅菌:酸化エチレンガスにより微生物を殺滅する。低温で行うため非耐熱性のものが対象となる。発癌性、皮膚・粘膜刺激性があり、滅菌後のエアレーションが必要となるため長時間を要する。
・ 過酸化水素ガスプラズマ滅菌:圧力と高周波により発生する過酸化水素のラジカルで微生物を死滅させる。エアレーションが不要である。セルロースはプラズマが吸着するため滅菌できない。
・ 過酸化水素ガス滅菌(vaporized hydrogen peroxide:VHP):減圧沸騰により気化させた過酸化水素ガスを投入し、その酸化作用によって、微生物を不活性化させる。
・ 低温蒸気ホルムアルデヒド(low temperature steam and formaldehyde:LTSF)滅菌:ホルムアルデヒドガスにより滅菌する。
以上、いかがでしたでしたでしょうか?
少し難しかったかもしれませんが…洗浄と消毒・滅菌の違いと、各々にいろいろ方法があるということが分かって頂けたかと思います🙆
全ての病院やクリニック(診療所)は「スタンダードプリコーション(標準予防策)」=「すべての患者のすべての湿性生体物質(血液、体液、分泌物、嘔吐物、排泄物、創傷皮膚、粘膜等)は、感染性があるものとして取り扱わなければならない」という考え方に基づいて、上記のような感染予防対策を取らなければなりません。
もちろん、当院もスタンダードプリコーションの考え方に基づき、患者様に安心して治療を受けて頂けるよう、万全の感染予防対策を施しております。
では、今回はこのへんで~👋
また来週、元気にお会いしましょう❗️
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