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~代用甘味料とは?~


こんにちは。
北24条かやの歯科クリニックのどいです。

暑い日が多くなりエアコンをつける機会も増えました💦
私の部屋は西向きなので、昼過ぎから夕方までは辛いです🥵
皆様、適度に水分塩分補給をして、涼しいところで休憩するなど、熱中症には十分お気をつけ下さい⚠️

今回は「代用甘味料とう蝕」についてお話させて頂きます。

以前にも代用甘味料のひとつとして”キシリトール”を話題にしたブログを書きましたが、今回は全ての代用甘味料とそのメリット・デメリット、う蝕の関係について、栄養学に近いかたちでお話させて頂きます🙋

まずは、、、

【1. 代用甘味料とは?】

代用甘味料とはスクロース(砂糖)の替わりに用いる甘味物質の総称です。糖尿病でも安心して食べられる高血糖を生じない甘味料、肥満対策に用いる低カロリーのダイエット用甘味料、そしてう蝕の原因にならない甘味料などがあります。

下の表1はいろいろな代用甘味料の種類とスクロースの甘味度を1.0とした時の相対甘味度を示したものです。これらの甘味料の中で発酵性(酸産生性)がない、あるいは十分に低ければ、う蝕の原因になりません。

【2.人工甘味料(合成甘味料)の種類と特徴】

人工甘味料は、糖アルコール合成甘味料の2つに分けられます。ここでは、本来自然界にはない糖質「合成甘味料」をみていきましょう。

現在日本で使用されている合成甘味料は、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリン、ネオテーム、アドバンテームの6種類です。

そのうち、よく使用される4つの合成甘味料を紹介します。
 ・アスパルテーム
 ・アセスルファムK
 ・スクラロース
 ・サッカリン

《アスパルテーム》

アスパルテームは、アミノ酸とフェニルアラニンを結合して作られる人工甘味料です。苦味が少なくスッキリとした甘さが特徴で、甘味度は砂糖の200倍といわれています。

日本では1983年に厚生省(現:厚生労働省)が添加物として使用を認可しています。

含まれる食品例)飲料、卓上甘味料、ガム、キャンディ

《アセスルファムK》

アセスルファムKは、塩素安定剤とスルファミン酸、三酸化硫黄から合成される人工甘味料です。

甘味度は砂糖の約200倍あり、ほんのりとした苦味が特徴。ほかの人工甘味料と併用すると砂糖に近い甘みを引き出せるため、組み合わせて使われることが多いです。

日本では2000年に使用が認可され、アスパルテームと並んで広く使用されています。

含まれる食品例)飲料、ガム、キャンディ、漬物、ジャム

《スクラロース》

スクラロースは、砂糖を原料に一部が塩素に置き換えられた人工甘味料です。甘味度は砂糖の約600倍にもなり、砂糖に近いまろやかな甘さが特徴です。

日本では1999年に添加物として認可されています。

含まれる食品例)スポーツドリンク、コーヒー飲料、菓子パン、アイス

《サッカリン》

砂糖の約500倍の甘味度があるサッカリン。人工甘味料のなかでも歴史が長く、日本では1901年から使用されています。

サッカリンは1980年代に発がん性の疑いがもたれ、日本でも一時使用が禁止された過去があります。しかし、1990年代後半に行われた再評価では発がん性が否定され、使用禁止が撤回されています。

含まれる食品例)飲料、魚介加工品、醤油、缶詰

【3.人工甘味料のメリット🙆】

人工甘味料の主なメリットは以下の3点です。
 ・摂取カロリーを抑えられる
 ・食後の血糖値の上昇を抑えられる
 ・虫歯の原因になりにくい

それぞれを簡単に解説します。

《摂取カロリーを抑えられる》

人工甘味料は、砂糖の何百倍もの甘味度があるため、少量でも甘い味付けが可能です。

使用量が少量でよいため、砂糖に比べて摂取カロリーを大幅に抑えられるメリットがあります。

《食後の血糖値の上昇を抑えられる》

人工甘味料にはブドウ糖が含まれていないため、摂取しても血糖値やインスリン値が上昇しません。そのため、人工甘味料は肥満や糖尿病の予防に有用と考えられています。

米国糖尿病学会と米国心臓病学会は、2012年に「砂糖の代わりに人工甘味料を使用することで肥満や糖尿病の予防や治療に有用な可能性がある」との見解を示しています。

🦷う蝕の原因になりにくい🦷

う蝕のリスクを抑えられることも人工甘味料のメリットのひとつです。

う蝕予防といえば、キシリトール入りのガムを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。キシリトールは、糖アルコールに分類される人工甘味料です。

キシリトールをはじめ人工甘味料は虫歯菌の栄養にならないため、う蝕の原因になりにくいことがわかっています。
→う蝕予防効果について詳しくはブログ:「歯」と「キシリトール」についてをご参照下さい🙇

🦷う蝕の原因にならない代用甘味料の上手な使い方🦷

発酵性糖質(酸産生性)が入っておらず、発酵性のない代用甘味料で作られた食品を食べれば、う蝕予防に効果的であることは、お分かり頂けたと思います。しかし、お店で食品表示を見てそのような食品を探すとなると簡単ではありません。そこで、消費者庁では保健機能食品と呼ばれる食品群を定め、その中に、様々な疾患の予防につながる食品を「特定保健用食品(通称トクホ)」として許可しています。う蝕予防につながるトクホには、トクホマークとともに「むし歯になりにくい」「歯が再石灰化しやすい環境にする」などのヘルスクレームが表示されていますので、簡単に見つけることができます。う蝕予防につながるトクホには発酵性糖質は入っておらず、代わりに様々な種類の発酵性のない、あるいは低い代用甘味料が使われています。

消費者庁が許可しているトクホの数は2019年7月8日現在で1,065品目ですが、このうちう蝕予防に関するトクホは84品目となっています。さらに2015年からは、新たに「機能性表示食品」が保健機能食品に加わりました。トクホでは国がその食品の効果を認めているのに対し、開発メーカーが自主的に効果を示し届け出た食品です。2019年7月24日現在、2,224品目(撤回された届出を含む)が届出されていますが、このうち4品目が「歯ぐき(歯肉)の健康維持」に関するものです。今後、機能性表示食品の利用拡大が期待されます。

加えて、国際トゥースフレンドリー協会認定の食品もあります。評価基準に適合し、むし歯の心配のない食品に「歯に信頼マーク」が表示されており、これもう蝕予防につながる機能性食品として有効です。

う蝕予防のためには、できるだけ間食の頻度を減らし、間食をとる場合には発酵性糖質を含まないものを食べるようにすることが重要です。トクホマークや歯に信頼マークのついた機能性食品は歯の表面のpHを下げないことが実験的に示されており、間食として相応しいと考えられます。砂糖などの発酵性糖質は食事時に摂取し、食後のブラッシングを心掛け、間食をとる場合には、う蝕予防につながる機能性食品を摂取するというように、メリハリのついた食習慣をつけることが重要です。

特に、ガムなどのよく噛んで食べる形態の食品は、唾液の分泌を促し、歯の再石灰化効果を高めますので、積極的な利用が推奨されます。その際も、発酵性糖質を含んでいないことを確認しましょう。

【4.人工甘味料のデメリット🙅】

人工甘味料には「摂取カロリーを抑えられる」「虫歯の原因になりにくい」などのメリットがある一方、気をつけておきたいデメリットもあります😥
 ・常用すると味覚が鈍くなる可能性がある
 ・食欲増加につながりやすい
 ・糖尿病や心血管疾患の発症リスクを高める

それぞれを詳しくみていきましょう。

《常用すると味覚が鈍くなる可能性がある》

常用して人工甘味料の強い甘さに慣れてしまうと、甘みを感じにくくなってしまう可能性があります😯

「もっと甘いものがほしい」とより強い甘みを多く摂取することにつながるため、常用するのは避けたいところですね。

《食欲増加につながりやすい》

食後に血糖値が上がらないのは人工甘味料のメリットですが、一方で、食べたときの満足感が得られにくい点はデメリットです。満足感が十分に得られないことで「もっと食べたい」と食欲の増加につながりやすいと考えられています🍫

また、人工甘味料のダイエット効果を過信して食べすぎてしまうといった心理的な要因も、食欲の増加に少なからず影響しているでしょう🤔

《糖尿病や心血管疾患の発症リスクを高める》

「人工甘味料は糖尿病の予防に有用」との見解がある一方で「糖尿病の発症リスクを高める」との報告もあります。

世界保健機関(WHO)が2023年5月に発表したガイドラインでは、人工甘味料を含む食品の長期的な摂取によって、糖尿病や心血管疾患の発症リスクが高まると発表されています。

ただしこのWHOの調査は、日本では使われていない人工甘味料も含めた調査結果です。日本と海外では食事やライフスタイルが異なるため、WHOの調査結果がそのまま日本人にも当てはまるとは限りませんが、情報のひとつとして頭に入れておくとよいでしょう。

【5.人工甘味料を接種するときの注意点】

人工甘味料を使った低カロリー食品は、ダイエット中に甘いものを食べたいときのストレスコントロールには効果的です。また3ヶ月程度の短期間であれば、摂取カロリーを抑える効果があることもわかっています。

しかし、人工甘味料の長期的な摂取によるダイエット効果は科学的に証明されていません⚠️

2023年に発表された世界保健機関(WHO)のガイドラインでは「砂糖やブドウ糖、果糖などを人工甘味料に置き換えることは、長期的には体重コントロールに役立たない」と結論づけられています。

低カロリー食品に不可欠な人工甘味料ですが、長期的な体重コントロールには不向きです。「砂糖と置き換えれば簡単に痩せられる」「人工甘味料ならいくら食べても大丈夫」と過信しないことが大切です🫡

【6.人工甘味料のQ&A】

《人工甘味料と砂糖はどちらが健康によい?》

体質や健康状態によって体への影響が異なるため、人工甘味料と砂糖のどちらが健康によいかは一概にはいえません。

健康のためには、人工甘味料か砂糖かに関係なく、甘いものを摂りすぎないことが大切です。それぞれのメリット・デメリットを把握したうえで、どちらもほどほどに楽しみましょう。

《人工甘味料に発がん性などの危険性はある?》

日本で使用されている人工甘味料(合成甘味料)に、発がん性は認められていません

人工甘味料をはじめ、国内で使用されている添加物は食品安全委員会によって安全性評価が行われ、科学的なデータに基づいて使用できる食品や使用量の基準が設定されています。

たとえば、生涯毎日食べ続けても健康に悪影響が生じないとされる「一日摂取許容量(ADI)」は、下記のように数値が定められています。

【合成甘味料のADI】(1日当たり・体重1kgに対する上限)
 ・アスパルテーム 0~40mg
 ・アセスルファムK 0~15mg
 ・スクラロース 0~15mg
 ・サッカリン 0~5mg

令和2年に行われた厚生労働省の調査では、合成甘味料の推定摂取量は一日摂取許容量を大きく下回っていることが明らかになっています。そのため、日本人の一般的な食生活であれば、合成甘味料を極端に避ける必要はないといえるでしょう。

以上、いかがでしたでしょうか?

今回はダイエットやう蝕予防に良いとされている代用甘味料についてお話させて頂きました。一概に代用甘味料といっても、表1にありますようにほんとにたくさんの種類があり、私自身も初耳の甘味料がいくつもありました。

現在、日本で使用されている人工甘味料は、国によって安全性が認められ、使用基準や使用量がしっかり定められています。そのため、普段の生活で極端に避ける必要はありません。
人工甘味料のメリット・デメリットを正しく把握したうえで、カロリーやう蝕などの病気が気になるときは人工甘味料を選ぶなど、部分的に取り入れるとよいと思います🙆

それでは、今回はこのへんで~👋

また次回、元気にお会いしましょう❗️

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