CLINIC BLOG
口腔顔面領域の歯科医学〜歯原性良性腫瘍とは?〜
こんにちは🌞
北24条かやの歯科クリニックのどいです。
もうすっかり10月となり、今年も残すところあと僅か3ヶ月余りとなりました。
一年があっという間ですね😅
一昨日は中秋の名月でした。
皆さま、見られましたでしょうか?
今年は雲もなく綺麗に見えましたね🌕
さて、今回のお題は「歯原性良性腫瘍」(しげんせいりょうせいしゅよう)と難しい名前が付いていますが、いわゆる歯の組織に由来する良性腫瘍のことをいいます🧐
今回はその歯原性良性腫瘍の中でも比較的発生頻度の高い「エナメル上皮腫」について書かせて頂きます💁

【🦷エナメル上皮腫とは?】
歯原性腫瘍のなかで、最も発生頻度の高い腫瘍です。歯を形成するエナメル器と呼ばれる組織に生じる良性の腫瘍です。歯の組織が腫瘍化するため、上下の顎の骨にのみに発症します。腫瘍の一部あるいは大部分が嚢胞のようになっていることもあります。10〜20代の若年者に多く、性別では男性にやや多くみられます。顎骨の中、とくに下顎の後方部(臼歯部から下顎枝にかけて)に発生し、大きくなると顎骨が膨隆し、顔貌も変化します。エナメル上皮腫の発育は通常緩やかですが、多くは周囲骨組織に浸潤増殖するので再発する危険性が高く、また、まれに悪性転化や遠隔臓器へ転移することもあります😱
【🦷原因】
主として歯胚(しはい:歯の芽)のなかのエナメル器と呼ばれる部分が腫瘍化することにより生じます。しかし、その原因は未だはっきりとは分かっていません🤔最近の分子生物学的側面からの解析によって、エナメル上皮腫の発生・進展に関与する多様な分子や遺伝子変異の存在が報告されています。
【🦷症状】
通常は痛みを感じることがなく、無症状のまま顎の骨が徐々に膨らみ、「顔面が腫れてきている、変形してきている」、「歯の位置が移動してきている」ことなどで気がつくことがあります。また、歯科治療時に撮影するX線写真で偶然発見されるケースも多々あります。腫瘍の増大に伴って骨が薄くなり、羊皮紙様感(ようひしようかん:触った時のペコペコとした感触)を触知し,腫瘍がさらに増大して骨が完全に吸収されると波動(波をうつ感触)を触れるようになります。潰瘍を形成しない限り、疼痛や知覚異常などの神経症状を伴うことはないとされています。
【🦷エナメル上皮腫の検査・診断】
臨床所見およびX線画像で腫瘍の発生部位や進展範囲などを診断します。
また、CTおよびMRIは腫瘍の形態、内部性状(腫瘍中の液状成分の有無など)や腫瘍周囲の骨破壊の程度、歯根吸収の有無などを詳細に把握する上で有用です。
エナメル上皮腫は画像所見のみで診断することは困難で、組織を一部採取して調べる病理組織検査によって確定診断されます。
【🦷エナメル上皮腫の治療法】
現在のところ手術で切除するしか治療方法がありません。切除方法は、腫瘍を周囲の顎の骨とともに切除する「顎骨切除法」と、顎の骨の形や働きを残すために周囲の骨をなるべく残す「顎骨保存外科療法」の大きく二つに分けられます。顎骨切除法に比較して、顎骨保存外科療法では、再発する可能性が高く、繰り返し手術することがあります。そこで、顎骨保存外科療法で根治性を高めるためにさまざまな手術法が開発されています。例えば、単に腫瘍を摘出するだけでは再発の危険性が高いため、摘出後に腫瘍周囲の骨面を削除する方法や、腫瘍摘出後、骨創面に形成された瘢痕組織と新生骨を腫瘍細胞が確認できなくなるまで数か月ごとに繰り返し除去する反復処置法などが行われています。
顎骨切除法で顎の骨が切除された場合にはほかの部位から骨を移植し、顎の骨の形や働きを改善する再建手術が必要となることがあります。
どちらの方法を適用するかは、患者さまの年齢、腫瘍の大きさや部位、タイプなどを総合的に考慮し決定します。
ちょっと難しい内容になってしまいましたが…いかがでしたでしょうか?💦
歯の組織に由来し、かつ顎の骨の中にできる良性腫瘍のエナメル上皮腫について今回書かせて頂きました。
診察の際のレントゲン写真で発見されやすい病変でもあります。
また顔貌の変化など自覚症状も伴う場合もあります。
もし、治療中にエナメル上皮腫様の腫瘍が発見された場合は、速やかに専門の口腔外科での検査・治療へ移行できるようにご紹介させて頂きます🙆
また、エナメル上皮腫に関して疑問や不安など御座いましたら、担当の歯科医師にお気軽にご相談下さいませ🙋
では、今回はこのへんで〜👋
本格的に寒くなってきました。
体調管理などご自愛下さいませ🙇
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